どんな理由であれ「生理が止まった」のであれば、専門家による治療が必要です。
ひとつの目安としては、90日、3か月生理がなかったら、医師の診察を受けるようにしてください。
思春期に生理が止まる原因も、やはり大人の女性と同じで、精神的なストレスや極端なダイエット、スポーツなどがあげられます。
そして、この年代のストレスでいちばんにあげなければならないのは、高校受験や大学受験のプレッシャーでしょう。
また、「いい成績でなければ」、「いい学校を卒業しなければ」と娘さんを追いつめているお母さんもいます。少しでも成績が下がると、大げさに嘆いてみせたり、有名大学に進学しない人は、人生の落伍者であるかのようないい方をする・・・
毎日こんなことをいわれていたら、その狭い価値観にあわせること自体がストレスになります。
また、20代の女性と同じように、痩せ願望で一生懸命ダイエットする中学生、高校生も多く見られます。とくに女子高生・中学生たちは、アイドル歌手などの姿に憧れて自分も同じようなスタイルになりたいと思い、ダイエットをするようになっています。
彼女らの憧れの的であるアイドルたちは、医学的に見れば痩せすぎであり、目標にすべき存在ではないのです。
さらに若い女性だけでなく、お母さんたちの間でも「痩せているのはいいことだ」、「スリムな女性は美しい」と強く思い込んでいる人たちがいるのは、困ったものだと思います。
娘さんを連れてクリニックに来たお母さんで、娘さんが少し太っただけで、「この子、最近ブタみたいに食べるんですよ」といった人がいました。これでは娘さんも、食べること、太ることに対して無意識のうちに拒否反応をもってしまいます。
こんなことに振り回される人生なんて、つまらないと思います。太っていようが痩せていようが、どんな学校を出ていようが、その人となりを全人的に見れば、心身ともに健康であることが一番重要であるはずです。
拒食症でガリガリにやせてしまったり、「生理がない」といってクリニックに行く女性たちを見るたびに、こう思ってしまうのです。
■初潮が来ない「原発性無月経」
15~16歳になっても初潮が来ないときは婦人科ヘ行きましょう。
初潮があって、その後に生理のトラブルが起こる場合がありますが、そもそも初潮が来ない、というのも問題になることがあります。
最近では子どもの体格がよくなって、初潮の年齢も低くなってきています。
最近の調査では、日本女性の平均初潮年齢は12歳6か月という報告があります。学年別に見ると、小学校6年生(12~13歳)で半分が、中学3年生(14~15歳)では95%の女性が初潮を迎えています。
医学的には、18歳を過ぎても初潮がないことを「生理がはじまらない」という意味で「原発性無月経」と呼んでいます(これまで紹介してきた「生理があったけれど止まってしまった」というのは「続発性無月経」といいます)。
原発性無月経と診断されれば、場合によっては病院で治療しなければなりません。
最近では15歳でほとんどの子どもが初潮を迎えていますし、16歳になっても初潮がないことを「遅発初経」または「初経遅延」ということもあるぐらいです。
そういったことを考えると、15~16歳までに初潮がないようなら、18歳を待たずに婦人科に連れて行ってあげたほうがいいと思います。
この場合、身長が150センチ、体重40キログラムというのがひとつの目安になります。また、最近では、体脂肪率が15%前後に達したころ、というのも目安になっています。
この身長と体重を超えていて、一定の年齢に達していれば、ふつうは初潮があるはずだからです。
「初潮があってもいい年なのにはじまらない」という子どもたちが増えているように思います。娘さん本人のかわりにお母さんが「まだのようなのですが、どうしたらいいでしょう」と相談されることもよくあります。
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