妊娠できる薬はたくさんあります。西洋医学薬もあれば漢方薬もあり、その中でもまた様々に種類があります。
あなたの症状に合わせて使っていきましょう。妊娠できる薬というよりは、「妊娠できない原因を治す薬」と考えても良いです。
そして、妊娠できる薬で効果が強いモノは、逆に副作用も気になりますよね。それぞれ薬の効果と副作用も知った上で使っていきましょう。
【妊娠できる西洋医学の薬】
1、シクロフェニル(商品名:セキソビド)
排卵誘発剤のお薬です。効き目は弱いですが、頚管粘液の状態が悪くなったり子宮内膜を薄くする悪影響が無いので、安心して不妊の初期治療に使える薬です。効果がないときはクロミフェンに移行しましょう。
2、クロミフェン(商品名:クロミッド、セロフェン)
重症の排卵障害でなければ、ほとんどのケースで排卵を起こせる薬です。2~3割の人が子宮内膜が薄くなり、5割の人が頚管粘液の状態が悪くなるケースがあります。妊娠率が悪いのはそのせいですが、現在ある飲み薬ではこれ以上のものはありません。人によっては更年期障害のような副作用が出ることもあります。
3、hMG(商品名:パーゴナル、パーゴグリーン、ゴナドリール、ヒュメゴン、HMGフジ、HMG日研、フェルディノームP)
排卵を誘発する卵胞刺激ホルモン薬です。人工受精、体外受精、顕微受精などの際に使われますが、目的によって注射量が調整されます。副作用としては、注射した痕が腫れたりかぶれたり、熱を持ったり、関節痛が起きることがまれにあります。
4、hCG(商品名:HCG)
黄体化ホルモンに似た働きをするホルモン剤で、妊娠の維持に不可欠な薬です。クロミフェンやhMGとの相互作用でOHSS(卵巣過剰刺激症候群)を起こすことがまれにあります。
5、GnRHa(商品名:スプレキュア、ナサニール、リューブリン)
子宮内膜症の治療薬ですが、体外受精の際に排卵をコントロールするのにも使われます。長く使うと更年期障害に似た症状が出ますが、短期間の使用ならほとんど副作用は起きません。
6、プロモクリブチン(商品名:パーロデル、テルロン)
高プロラクチン血症の治療薬です。脳下垂体から出るプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)の分泌を抑制します。副作用でつわりのような吐き気や便秘になることもまれにあります。
7、黄体ホルモン(商品名:ルトラール、デュファストン)
無月経症や黄体機能不全症の治療薬です。月経前に起きるような不快症状が出ることがまれにあります。
【妊娠できる漢方薬】
最近では、産婦人科や妊娠治療を専門とする病院でも、漢方薬が多く使われるようになってきました。理由は、妊娠に明らかな効果があるのと、保険が使えるようになったからです。
漢方薬というと、「奇妙な植物や苦い汁」のようなイメージがあるかもしれませんが、それは映画やドラマの世界です(笑)
普通の薬と同じように、錠剤や顆粒タイプのお薬で飲みやすい物になっています。
漢方薬の良いところは、自然に近い成分による体に優しい効果です。ただし、副作用も全くないわけではありませんので、それは知っておく必要があります。
湿疹・かゆみ・胃腸のもたれは、漢方薬の副作用として見られる症状です。また、クラミジアや淋菌のような感染症が原因の場合には漢方薬は効きません。抗生物質でないと効果がない不妊もあります。
また、例えばクロミフェンと組み合わせるなど、西洋医学薬と漢方薬を組み合わせてお互いの欠点を補うという使い方もできます。
では、まず女性向けの妊娠できる漢方薬です。
■柴苓湯(さいれいとう)
■当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
■桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
■温経湯(うんけいとう)
これらは、女性不妊の原因として多い、血行不良・自律神経失調症・ホルモンバランス不良・免疫力の低下・新陳代謝の低下を改善する効果がある薬です。
そして、男性向けの妊娠できる漢方薬です。
■八味地黄丸(はちみじおうがん)
この薬は、精子の活力が弱い不妊男性に効果があります。
■補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
この薬は、精子の数が少ない不妊男性に効果があります。
では以上が妊娠できる薬の解説ですが、根本は、自分で妊娠できる体を作ることです。ストレス発散・栄養バランスの良い食事・有酸素運動・睡眠・・・妊娠できない根本原因は、これらが整っていないからです。
あくまで薬は補助的なものとして考え、まずは健康的な体作りから始めることが大切です。