じつは毎年2000万人もの日本人が、水虫・白癬にかかっています。
もちろん自覚症状のない人から、重度の水虫で治療に苦労している人まで様々ですが、水虫は治りにくいのと再感染しやすいことから、水虫治療はとても難しいというイメージがありますよね。
でも、「病院で薬を飲んでも治らなかったのに民間療法で治りました・・」というケースが良くあります。
人それぞれ水虫(白癬菌)のタイプや足の環境が違います。体質によって薬効も変わってきますから、「どうせこの方法も治らないだろう・・」と簡単にあきらめないで、色々治療法を試すことが大切です。
特に、民間療法は意外な効き目があったり相性が良かったりする方法が見つかるものです。一般の薬のような副作用も無く、安価で安全に水虫治療ができるわけですから、やってみる価値があります。
水虫・白癬の治療法は以下の4つが上げられますが、まずは1の「足の環境」を改善した上で、お薬や殺菌剤・抗菌剤で治療していきます。
1、足の環境改善
2、市販の治療薬
3、病院の治療薬
4、様々な民間療法
【1、足の環境改善は水虫・白癬治療の基本】
足の環境改善は水虫・白癬治療の基本です。不衛生で湿気がこもる足の環境では、絶対に水虫は治りませんし、余計にひどくなる・・再発する・・という結果になります。
では具体的に改善法を解説します。当たり前のことも含まれますが、おさらいも含めて見てください。
・毎日お風呂に入って清潔を保つ
皮膚の表面は、新陳代謝と呼ばれる古くなって死んだ細胞のカスが入れ替わる場所です。その皮膚の表面は角質層とよばれますが、そこに水虫菌(白癬菌)が住み着いて、皮膚の材料であるケラチンを食べて生きているのです。
まずは、その白癬菌の居場所を改善して菌が住みにくくしないといけません。その上でお薬等を使うから効果が出ます。しっかり石鹸で古い角質層を洗い落としましょう。
でも、たとえば軽石や剛毛ブラシなどでゴシゴシやり過ぎるのは、かえってマイナスになります。細かい傷がたくさんできてかえって雑菌が住みやすくなるのと、炎症を起こしてしまうので止めてください。
普通の石鹸で普通に洗ってください。
・共用品を避ける
せっかく清潔にして治療も進めているのに、他者からまた水虫菌を移されることがよくあります。例えば自宅でのお風呂のマットやスリッパは、毎日洗ったり、共用しない習慣をつけることが大切です。
そして、外ではさらに危険です。職場や学校はもちろん、公共の浴場やプールでマットやスリッパを共用する機会があります。マットには触れない・・スリッパもなるべく履かない・・靴下やスリッパを持参する・・ということで感染を防ぎましょう。
・靴や靴下の選び方とローテーション
最近は、フォーマルな皮靴などでも通気性の高い靴がありますので、それを選ぶことと、ピッタリサイズは避けて少し隙間が空くくらいの物を選びます。
そして、靴は毎日同じ物を履かないことです。靴は脱いで一日たっても、中は100%乾燥してくれません。それどころか菌が繁殖してしまっています。
そこで、靴を3セット用意してローテーションしましょう。三日後にはもう靴の中は乾燥して、水虫・白癬菌も死んでいます。
殺菌効果のある中敷も売っていますが、効果は保証できませんし使っていくうちに効果もすぐ落ちていきます。
複数の靴をローテーションするのが一番です。
靴下も、通気性が良い薄手の生地のタイプを選びましょう。もちろん毎日交換する・・あるいは仕事上、足の環境が悪い人は、1日に何度か交換すると良いです。お洗濯する際は、殺菌消臭効果のある洗剤を使いましょう。しっかり脱水してから干さないと菌が繁殖しやすいので気を付けてください。
【2、市販の薬を使い水虫・白癬を治療する方法】
水虫・白癬を治療する市販のお薬は、主成分が抗真菌剤で、そこにかゆみ止めや炎症の症状を抑える成分が追加されます。
市販薬は、病院でお医者さんが処方する薬よりも濃度を薄くし、副作用が少なくなるようにしています。そのぶん当然効果も薄いわけですが、それを補うために症状を緩和する成分が多く含まれます。
かゆみや炎症を抑えるために、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を配合するわけです。
しかし、よくよく考えてみれば、抗真菌剤が薄いので水虫・白癬菌は生き残ることになり、治りにくい・・ということが言えます。
かゆみや炎症を表面上抑え込んでいるので、「水虫が治った」と誤解しやすいのです。
そして、そのわりに意外と副作用が多いです。かぶれ・腫れ・ただれ・ひりひりしみる症状です。清涼感を出すためにアルコール系の成分を含ませている市販薬が多いですが、敏感肌の方は特にご注意です。
また、市販のかゆみ止めも安易に使ってはいけません。副腎皮質ステロイド剤が入っていて、かゆみは強力に抑えてくれるのですが、白癬菌が増えてしまう現象が起こり、あとで余計に水虫がひどくなる場合があります。
【3、病院の薬を使い水虫・白癬を治療する方法】
病院での水虫・白癬治療薬は、成分としては市販のお薬とさほど変わりがありません。抗真菌剤・抗細菌剤・副腎皮質ステロイド剤など様々なお薬を使います。
特に、角質層がカチカチで厚くなるタイプの水虫や爪水虫の場合は、外用薬が深く浸透しないので効き目があまりなく、体の中から抗菌しよう・・という治療法です。
グリセオフルビン・イトラコナゾール・フルコナゾール・テルビナフィンというお薬です。
ただし、濃度が高いので治療効果と同時に副作用も強いです。
まず、治療効果が高いといっても相性が悪くて効果がない人もいますし、服用を半年から一年ほど続けないといけないので、とても根気と費用がかかるのです。
そして副作用があります。胃痛・胃が重い・食欲低下・肝機能障害・日光による皮膚炎などが心配になってきます。また、妊婦さん、お年寄りで他の病気の薬を多く飲む人には処方できません。
【4、民間療法を使い水虫・白癬を治療する方法】
民間療法では、殺菌成分がある液剤に足を漬けこむ方法が多いです。市販薬や病院でのお薬に比べて、副作用はありませんが成分も強くはありません。
そこで、しっかり漬けこんで浸透させる必要があります。アロエ軟膏やお酢をちょっと塗っただけでは効果はありません。
サイプレス、エッセンシャルオイル、レモン、ハーブ類、アロエなどなど、殺菌成分を含む天然材がたくさんあります。それらを抽出した液剤に足を漬けこみます。
「成分は強くないが安全なのでシッカリ漬け込んで奥まで浸透できる」・・これが意外に効くケースが多いのです。
中には、「病院に通っても治らなかった」という人が民間療法で治ったケースもあります。「足の臭いまで消えた・・」という二次効果もあります。
その人その人の体質で相性は色々ありますから、民間の治療法でもバカにしないで試してみる価値はあるのです。