うつの治療に使われる薬について詳しく解説していきます。うつの治療では、もちろん休養が大前提になりますが、ツライ落ち込みの気分を治したり眠れない症状を治すためには、やっぱりお薬は必要なんです。

ツライ気分や不眠をそのままにしてしまうと、本当に苦しくなってそれだけで死にたくなるような気分になってしまいます。

内服薬・飲み薬の画像うつを早く治すためにも、薬はかしこく使ってください。

幻覚作用依存性を心配する人がいますが、それはありませんので大丈夫です。

お医者さんに相談しないで勝手に別の病気の薬と一緒に飲んでしまうのは危険ですが、そうでなければ安全なお薬です。

うつ病にはいろんなタイプがあり、症状の重さや段階によって薬の種類や量や組み合わせも変えていかないといけません。また、多少の副作用もありますので、正しく知って安心して使っていきましょう。

うつ病の治療には、たくさんの種類のお薬を組み合わせて使っていきますが、まずはざっと概要をご紹介したあと、具体的な解説に入ります。

1、抗うつ薬
うつ病を治療するためのお薬の中心になるものです。ツライうつ気分や不安を抑えてくれて、意欲を高めてくれるお薬です。

2、睡眠薬
うつになると、眠れなくなるケースが多いです。不眠でますます不安になったり余計な事を考えてしまいます。また体力も落ちてしまうので、しっかりスッキリ眠れるように睡眠薬も正しく使いましょう。

3、気分安定薬
例えば双極性障害(そううつ病)の場合は、ハイテンションな時期と落ちこむ時期のギャップが激しくて、それを繰り返してしまいます。それを安定させるために使われるお薬です。

4、抗不安薬
緊張や不安などを和らげてくれるお薬です。普通は抗うつ薬と合わせて使われます。

5、抗精神病薬
重症のうつ病患者さんや、命を絶とうとするような行動を見せる患者さんに使われるお薬です。
うつ病の治療には、以上の5つのタイプのお薬を組み合わせて使いますが、またその中にもたくさんの種類があって、症状や時期に合わせて選択していきます。

また、お薬の作用・副作用もそれぞれ違ってきますので、具体的に解説していきます。

【1、抗うつ薬】

私達の思考や体を動かすための脳からの指令は、下の図のように、脳の神経細胞どうしが神経伝達物質によってつながれることで回路が成り立ち、電気信号が流れて、それが感情や思考や体を動かすための指令になります。

脳の神経伝達を解説した画像

うつの状態になると、この流れが悪くなり、シナプスから出た神経伝達物質がまた戻ってしまって、受容体でキャッチする量が足りなくなってしまいます。

そうならないために、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を、シナプスが再取り込みしないようにブロックする必要があるのです。それをするのが抗うつ薬です。

・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬

一番代表的な抗うつ薬で、軽症から重症まで広く使われています。神経伝達物質のセロトニンの再取り込みを選択的に阻害します。それによって、神経細胞間のセロトニンの量が増えて、うつ症状を改善することができるのです。

一般名:セルトラリン、パロキセチン、フルボキサミン
商品名:ジェイゾロフト、パキシル、デプロメール、ルボックス
副作用:副作用は少ない薬ですが、脳以外のセロトニンの受容体にも影響があるので、飲み始めの時期には軽い吐き気や嘔吐の症状が起こる場合があります。

・SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

先ほどのSSRIの作用に加えて、ノルアドレナリンの再取り込みも阻害します。一般的な薬剤と代謝の経路が違うので、他の薬と飲み合わせても悪影響が起こりにくいのが特徴です。

一般名:ミルナシプラン
商品名:トレドミン
副作用:先ほどのSSRIに比べて消化器系の副作用が少ないのが特徴です。ただし、前立腺に問題を抱えている人は、排尿が困難になるケースがあります。

・三環系抗うつ薬

うつの症状を改善する効果がとても強い薬で、うつが重症だったり死にたい気分が強い患者さんの治療に使われます。

一般名:アミトリプチン、アモキサピン、イミプラミンなど
商品名:アミプリン、アモキサン、イミドールなど
副作用:うつ改善の効果が強いので、副作用も少し強くなります。便秘や口の渇き、立ちくらみや動悸も起こる場合があります。

・四環系抗うつ薬

この薬は、治療効果が三環系よりも低いですが、その分副作用も小さくて済みます。軽度のうつや、高齢者の患者さんに多く使われます。

一般名:セチプチリン、マプロチリン、ミアンセリン
商品名:テシプール、クロンモリン、テトラミドなど
副作用:三環系と同じく、便秘や口の渇き、立ちくらみや動悸も起こる場合がありますが、副作用自体は軽いです。

【2、睡眠薬】

睡眠薬で不眠治療をした人の写真抗うつ薬にも催眠効果が若干ありますので、眠れない症状がなければ抗うつ薬だけでも良いのですが、寝つきが悪く夜中にもしょっちゅう目が覚めるようなら、この睡眠薬も合せて服用しましょう。

一般名:トリアゾラム、ブロチゾラム、ロルメタゼパム、フルニトラゼパムなど
商品名:ハルシオン、レンドルミン、エバミール、ロヒプノールなど

睡眠薬の副作用は、起きた時にふらつきや、めまい、倦怠感が出るケースがあります。

【3、気分安定薬】

うつ病でハイテンションな人の写真

そううつ病で双極性障害型の患者さんは、興奮した異常なハイテンションの時期があります。その異常な興奮を抑えてくれるのが気分安定薬です。

双極性障害型の鬱病の場合は、この薬を中心にして治療が行われます。

・炭酸リチウム

もっとも一般的に使われる薬で、ハイテンションな躁(そう)状態と、落ち込む鬱(うつ)状態の両方に効果があります。特に双極性障害型の場合は、躁・うつの転換期が危険ですが、そのギャップを穏やかにしてくれます。

一般名:炭酸リチウム
商品名:炭酸リチウム、リーマス、リチオマール
副作用:手の震えや、吐き気が起こることがあります。一度に大量に飲んでしまうと、リチウム中毒になって小脳に障害が起こるので気を付けましょう。

・カルバマゼピン

もともとは、てんかんの治療薬ですが気分を安定させる作用があり、脳神経の興奮を抑えてくれます。

一般名:カルバマゼピン
商品名:カルバマゼピン、テグレトール、テレスミン、レキシン
副作用:めまいや眠気が起こったり、口内炎や皮膚の湿疹が出ることがあります。

・バルプロ酸ナトリウム

脳の神経を静めて、気分の高ぶりを落ち着かせる働きがありますが、うつ状態も改善作用があります。効果が早く出るのが特徴です。

一般名:バルプロ酸ナトリウム
商品名:エスダブル、エピレナート、サノテン、セボトボル、セレニカ、セレブなど
副作用:副作用はとても少ない薬ですが、まれに眠気・ふらつき・頭痛・吐き気・肝機能障害・血行障害が起こることもあります。

 

【4、抗不安薬】

うつ病で悩んでいる子供の写真脳内の中枢神経系の働きを抑えることで、過敏な不安が和らぎます。とても即効性があるのが特徴で、抗うつ薬と併用されることが多いです。

ただ、依存性が少しあるのも特徴なので、意味なく長期に服用するのはいけません。

一般名:エチゾラム、メキサゾラム、クロルジアゼポキシドなど
商品名:デパス、メレックス、バランス、セレナールなど
副作用:副作用はとても少ない薬ですが、まれに眠気・ふらつき・脱力感・倦怠感があらわれることがあります。体力の衰えた高齢者にはおすすめできません。

【5、抗精神病薬】

もともとは統合失調症の治療薬として使われる薬ですが、興奮や不安・あせりによって幻覚や妄想がある場合や、死にたい気分が強くて危険な場合などに処方されます。

抗うつ薬、気分安定薬と併用して使われることが多いです。

一般名:リスペリドン、クエチアピン、オランザピンなど
商品名:リスパダール、セロクエル、ジプレキサなど
副作用:肥満や糖尿病が起こる場合があります。
健康で幸せな家族の画像

では以上が、うつの治療に使われる薬の解説になります。

うつの治療で薬が処方される場合は、最初は少ない量から徐々に増やしていくケースが多くなります。

そして、効果が出るまで時間がかかるお薬もありますので、変化がないからと言って落胆したり不安にならなくても大丈夫です(^_^)

まずはゆっくり休養して、お医者さんと相談しながら安心してお薬による治療も進めていきましょう。

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