不妊手術は二つの要素に分けられます。不妊の原因や流産の原因になってしまう子宮内膜症子宮筋腫を改善するための手術と、体外受精顕微授精など直接的に妊娠するための手術に分かれます。

まずは、もちろん体作りが大切ですので、ストレス解消・栄養バランス・睡眠・有酸素運動・血行を全て整えた上で、ご夫婦で自然妊娠を試みるのが一番ですが、できることは全てやり尽くしても不妊が解消されない場合は、検査→薬による治療→手術という流れが必要です。

不妊原因を治療して妊娠した女性の写真まずは検査ですね。不妊の原因が何なのか特定しなければいけません。もし検査の結果、女性側の子宮筋腫や内膜症があれば、薬による治療か手術が必要です。

【子宮内膜症の不妊手術】

子宮の内側の膜というのは、受精卵が着床するための優しいベッドのようなものですが、なぜかこの子宮内膜が別の場所にも出来てしまうのが子宮内膜症です。

月経血が卵管を逆流してお腹の中に漏れてしまい、そこで子宮内膜細胞が増殖して癒着してしまうのです。例えば、腸であったり膀胱(ぼうこう)などにできてしまったりします。

不妊女性の解説の画像生理の時には、そこでも出血が起こるので痛くてしかたありません。これが生理痛の原因でもあります。

そして、子宮内膜が本来とは別の場所にまで広がってしまうわけですので、受精卵は正しい場所に着床できず妊娠できない・・ということになってしまいます。

ですので、もし子宮内膜症が大きく進んでしまって薬で治療できない場合は、手術になります。

腹腔鏡下手術というもので、お腹に1センチくらいの小さな穴を開けて、そこから細い管を入れモニターで見ながら手術します。

痛みもほとんどなく三日間くらいで退院できます。費用は約30万円から40万円前後です。

【子宮筋腫の不妊手術】

子宮筋腫というのは、子宮内にコブができてしまう病気です。

良性な腫瘍ですので健康には大きな問題はないのですが、子宮の内膜に腫瘍ができた場合は1センチ程度の小さなものでも受精卵の着床をジャマしてしまう場合もありますし、子宮内膜ではなくて周囲の筋肉にできた場合でも、大きくなって子宮の中を狭めてしまっている場合は、着床もジャマしますし流産の原因になってしまいます。

また、生理の時に出血がひどくなる場合があるので、痛みも出る場合があります。

子宮筋腫が不妊の原因になっている場合は、腫瘍を取り除くとすぐに妊娠できるケースが多いです。ただし、腫瘍の芽が残っていると1年ほどでまた大きくなってしまうので、手術で取ったら早めに妊娠のための活動に入りましょう。

腫瘍がかなり大きい場合は、お腹を切開する手術になりますが、通常は腹腔鏡下手術で小さな穴を開けてモニターと器具を挿入し取り除けます。

これも内膜症と同じく、痛みもほとんどなく三日間くらいで退院できます。費用は約30万円から40万円前後です。

【体外受精・顕微授精による不妊手術】

卵子と精子が受精する画像この手術は男性側にも問題がある場合や、子宮の入り口付近の粘液が足りなくて精子が登って来れない場合などに行われる不妊手術です。

あらかじめ取り出した精子と卵子を、混ぜ合わせ受精させた状態で卵管に戻したり、卵管内で混ぜて受精させたりするのが体外受精です。

直接卵管に戻す必要があるので、腹腔鏡下手術でお腹に1センチくらいの小さな穴を開けて管を入れ注入する手術が必要です。

顕微授精というのは、卵子の卵胞に穴を開けて精子と直接受精させるものですが、これも受精卵を直接子宮に着床させる手術が必要になります。

体外受精の費用は約30万円くらいからで、顕微授精まで必要なら50万円くらいかかります。

体外受精の画像

 

【その他】 男性の不妊手術の場合は、マレですが精管が閉鎖してしまっているケースや、精索静脈瘤ができてしまっているケースなどで手術することがありますが、ケースとしてはごくわずかです。

では以上が不妊手術の解説ですが、「なかなか妊娠できないから・・」といってすぐに安易に手術を選択してはいけません。

女性の体にはとても負担が大きいですし、費用もかなりかかります。保険が適応される部分は限られていますし、公的な補助金は支給対象者の制限もあります。

まずは、ご夫婦で生活習慣の改善から取り組まなければいけません。

手術しなくても子宮内膜症や筋腫は改善するケースも多いですし、ましてや生理不順やホルモンバランスなどが原因の不妊なら、簡単に治すことができるからです。

無理やり手術で不妊解消しても、母体が健康でなければ元気で健康な赤ちゃんも育ちませんよ。

将来の家族全員の健康も含めて、しっかり取り組んでいきましょう(^_^)

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不妊手術とは」の解説ページです。