腰痛が出たら、カイロプラクティック、鍼灸、あん摩(マッサージ)、整骨院(接骨院)、整形外科のどこに行ったらいいのでしょうか?

マッサージから内視鏡手術まで腰痛の治療に関する情報があふれています。腰痛の約60%は病院やクリニック、約40%は整骨院や民間療法で治療が行われており、ほとんどの腰痛は手術が不要で、保存的治療が中心となっています。

でも実際腰痛になったときに、いったいまずどこの施設に行ったらよいのか迷うことも多いと思います。

施設によって腰痛の治療方法がかなり異なるので、余計に迷うことになります。このページでは、カイロ(カイロプラクティック)、鍼灸、整骨、接骨、整形外科とは何かについて、説明したいと思います。

■医師・柔道整復師・鍼灸師

医師、柔道整復師、鍼灸師は、専門教育を受けたあとに国家試験が存在する国家資格です。

整形外科は医師であり、X線やMRIなどの検査を行ったり、医薬品を使用したりして医学的診断を行い、診断書の作成をすることができます。

病院の整形外科は、骨、関節、脊椎などの疾患を専門とします。日本整形外科学会では、整形外科専門医、脊椎脊髄病認定医、スポーツ認定医、リウマチ認定医、運動器リハビリテーション認定医など、それぞれの医師の専門分野をわかりやすく知ることができるように公表しています。

柔道整復師(柔整師)、鍼灸師は医師ではないので、X線や医薬品の使用は行わず、体表からの診察と施術を行うことができます。

また、針の保険治療は、医師以外では「鍼灸師のみが医師の同意書に基づいて最長で6ヵ月間治療できる」とされています。保険の対象となる疾患は、腰痛・神経痛・五十肩・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症(むちうち)の六つとなっています。

■マッサージ

日本ではマッサージはあん摩・指圧と同一の資格であることから、それぞれが組み合わされて施術されていることが多く、そのほかにも明治以降ヨーロッパや米国から紹介された結合織マッサージ、骨膜マッサージ、リンパマッサージがあります。

マッサージ以外に徒手で行うテクニックとして、カイロプラクティック、オステオパシー、スボンデイロセラピー・モビリゼーションテクニック(これらはみな同じような内容で、呼びかたが異なっているものです)、また近年はアロママッサージ、リフレクソロジー、タイ式マッサージなどもあります。

そして、これら伝統医学的治療法および現代医学的治療法が総合され、いわゆる手技療法として医療分野、スポーツ分野、美容分野、健康産業分野の一翼を担っています。

あん摩、マッサージおよび指圧などを行う施術所数は22800個所といわれており、毎年増加しています。この背景には、クイックマッサージと呼ばれる手軽な治療を受ける患者層の発掘と増加があると考えられます。

■整体・カイロプラクティック

ー方、整体師による整体・カイロプラクティックの施術所は、国や県で認定された医療機関ではありません

そのため、スポーツ選手や健康な状態の人を対象とした、健康産業としての位置付けから逸脱してはいけないことになっています。柔道整復師(柔整師)と整体師は名前が似ているので混同しがちです。

整体・カイロプラクティックの教育は、研修施設や海外での短期間の実地経験のみで、基礎的な医学教育は十分に受けることができずに現場に臨むことになっています。

五年制の国際基準のカイロプラクティック大学があるものの、多くの整体・カイロプラクティックは、短期養成の学校で最短三ヵ月から一年の教育で現場に出ることが多いのが現実です(医師は六年、柔道整復師・鍼灸師は三年の専門教育を受けます)。

もともとカイロプラクティックは、1995年に米国で誕生した脊椎手技療法で、世界83カ国に普及し、健康に有効であると世界で認知されている分野ですが、日本では教育が一定でなく、資格は公的なものではありません。

そのために、肩こり、腰痛、頚腕痛をはじめさまざまな病気を、X線などの客観的な検査を行うことなく、安易に頚椎や脊柱、あるいは骨盤のズレやヒズミが原因である、といって医業類似行為を行っていることがあります。

行政も事故がない場合はそのまま見過ごしていますが、このような場合には、無資格・無免許の施術者となるので注意が必要といえます。

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腰痛を治してくれる所」の解説ページです。