朝起きれない原因を甘く見てはいけません。「起きれない」ということは、あなたに「必要な質の良い睡眠がとれていない」ということですが、それが慢性化すると必ず心身の病気を引き起こします。

うつ病や自律神経失調症・免疫力の低下につながります。そうなれば、癌や動脈硬化などのリスクも高まってしまうわけです。

まずは、あなたや家族の朝起きれない原因を、しっかり特定しないといけません。考えられる原因は、下記のような10個のタイプがあります。人によっては複合している場合もあります。

朝起きれない人の写真

では、ざっと原因のタイプをご紹介してから、個別に詳しく解説していきます。

1、睡眠不足タイプ
2、悪い生活習慣が原因のタイプ
3、体内時計故障タイプ
4、緊張タイプ
5、現実逃避タイプ
6、抑うつタイプ
7、窒息タイプ
8、寝過ぎタイプ
9、女性ホルモンタイプ
10、昼間も眠いタイプ

【1、睡眠不足が原因のタイプ】

朝起きれない原因としては一番分かりやすいタイプです。根本的に必要な睡眠時間がとれていないのですから、朝起きれないのは当然です。

人はそれぞれ必要な睡眠時間が違います。6時間で十分な人もいれば、10時間寝ないといけないロングスリーパー型の人もいます。

かつての偉人であるナポレオンは4時間、アインシュタインは10時間も眠ったそうです。

まずは、いろんな睡眠時間を試してみて、自分に合った睡眠時間を見つけることです。たまたま気持ち良く起きれる朝ってありますよね。そういう日は、「昨日何時に寝たかな?」と思いだして、睡眠時間を割り出してください。それを日々記録しておきましょう。

自分にとって良い睡眠時間が分かれば、夜更かしも自然としなくなっていきます。

「でも残業や勉強もしないと・・」と言って、睡眠時間を削る人がいますが、結局は日中ボーッとして効率が悪くなってしまうだけですので、本末転倒ですよね。

【2、悪い生活習慣が原因のタイプ】

「睡眠時間は7・8時間とってるのになんで起きれないの?」という人がいますが、思い返してみてください。

不眠症の原因で眠れない人の写真寝る間際まで、お酒・たばこ・カフェイン・飲食をしていませんか?

特にお酒などは、「眠れるように」と飲んでいる人がいますが、実はアルコールは覚醒作用もあるので眠りが浅くなってしまうのです。

カフェインは皆さん知っている通りですが、たばこもニコチン成分に覚醒作用があります。

そして飲食ですが、お腹いっぱいになると眠くなるので「眠くなるように何か食べよう」とするわけですが、実は消化というのは人間が使うエネルギーの中で一番大きいのです。

つまり、食べ物を消化することで「疲れている」わけです。それで起きれなくなります。

寝る時間の4時間前には、「お酒・たばこ・カフェイン・飲食」はもう止めないといけません。

【3、体内時計故障が原因のタイプ】

夜勤や連休中の夜更かし、朝寝坊が原因で体内時計が狂ってしまうと、「夜眠れない・朝起きれない」という原因になります。

そして、もともと人間の身体は、実は「25時間」のサイクルで回っているのです。でも朝に太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、そこからまた16時間後に眠気を引き起こすホルモン(メラトニン)が出てくるのです。

ですので、朝に光が差し込まない暗い部屋で寝ていたり、夜にパソコン・テレビ・携帯の明るい画面を見続けることで、体内時計が正しくリセットされず狂ってしまうのです。

光を浴びると、目を覚ますホルモン(セロトニン)が出るので、「光を浴びると夜眠れない」「光を浴びなければ朝起きれない」、ということになるのです。

【4、緊張が原因のタイプ】

緊張・興奮すると、よく「アドレナリンが出る」なんて言いますよね。

これは動物全般に備わっている能力なのですが、危険にさらされた時にエネルギーを絞り出してパワーを増大させ、逃げたり闘ったりするための能力です。いわゆる「火事場の馬鹿力」です。

だから、アドレナリンは血糖値を上げたりして、心身を覚醒状態にさせてしまうのです。これでは眠れませんし、眠っても浅くなります。当然、朝起きれない原因になってしまいます。

ついつい寝る前に仕事の事を考えてしまうこともありますが、例えば「パソコンや書類などの仕事を家に持って帰る」ということは、さらに緊張を高めてしまうことになります。

【5、現実逃避が原因のタイプ】

これは子供や20歳代の若者に多い傾向です。人間関係や、仕事・勉強の内容でストレスを抱えていると、朝起きてそれが始まることから現実逃避したくなるのです。

単なる精神的な弱さではなく、心身ともに反応して、起きることを拒絶してしまうのです。実際に頭痛や腹痛などの症状があります。仮病ではありません。

しかし、ふとんから出れないので、ドンドンゆううつ感が増して悪循環になってしまいます。

これは、うつ病や過労から守る本能と言えば本能なのですが、「回避性人格障害」でもあり、このままでは不登校や出社拒否が常態化してしまいます。

でも、その本人も「人と関わりたい」という気持ちもどこかに持っているので、周囲の人は、本人の負担を減らしてあげつつ、何か簡単に人と関われる遊びや仕事を見つけてあげると良いです。

その本人が、今なんとか対応できるレベルを探りながら少しずつ要求を高くしていけば良いのです。

【6、抑うつが原因のタイプ】

つまり、うつ病の症状として朝起きれなくなっています。

不眠症の原因で朝起きれない人の写真うつ病の原因は、一言で言うと過労です。心身ともに疲労の蓄積が限界まできてしまい、脳が思考や行動をシャットダウンして守ろうとする反応です。

家で例えるなら、電気が流れ過ぎるとブレーカーが落ちますが、それと同じ状態です。

不安や悲壮感で眠れない・・そのために起きれない・・。眠れたとしても自信や希望がなく起きれない・・。嫌な事だけが頭を駆け巡り、「起きたくない」という現実逃避も含まれます。

静養と薬による治療が必要です。

また、「冬うつ」という言葉もありますが、冬の寒さによるストレスや、日照時間の縮小などで「うつ」になります。この場合は光を浴びる「光療法」で解消する場合が多いです。

【7、窒息が原因のタイプ】

これは、眠っている間に何度も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」です。

睡眠で筋肉の緊張が緩んだ時に、舌がノドの奥に落ち込んで気道を塞いでしまうのです。肥満型で首が短い人に多いですが、痩せている人でも気道が狭かったり、アゴが小さい人もなりやすいです。また、子供でも扁桃腺(へんとうせん)が大きい子はなる場合があります。

症状は、朝起きた時にノドが乾いて頭痛がする、重苦しくてだるい、日中に眠い・・というものです。しっかり眠れていないので、特に朝起きれなくなる原因として影響が大きいです。

この病気は、睡眠障害だけでなく、放置すると心臓や脳の障害を引き起こしてしまいます。

【8、寝過ぎが原因のタイプ】

睡眠不足が、朝起きれない原因になるのは当たり前ですが、実は寝過ぎも良くないのです。

「正しい睡眠時間は7・8時間らしい」と聞いて、普段の睡眠時間よりもっと寝ようとしたところ、逆に目覚めや体調が悪くなる人がいます。

人それぞれ、ショートスリーパー型の人もいれば、ロングスリーパー型の人もいます。

そういう人は、調子が良かったころの睡眠時間に戻してみると良いです。早めに寝ると、朝も早めに目が覚める時がありますが、自然に目が覚めた時間から逆算して眠った時間を毎日記録しておくと、自分に合った睡眠時間が分かります。

【9、女性ホルモンが原因のタイプ】

女性ホルモンの中に、黄体ホルモンというものがありますが、これは妊娠中に多く分泌されるもので、眠気を誘います。

妊娠中は、安静にして体力を温存しないといけませんで、そのホルモンが多く分泌される仕組みになっているのです。そして、この黄体ホルモンは、妊娠中だけでなく、生理前後でも大きく変動します。

生理前や生理中に眠気が強かったり朝起きれない原因は、この女性ホルモンの中の黄体ホルモンが影響しているのです。

【10、昼間も眠いタイプ】

夜の睡眠の時間も質も十分とれているのに、なぜか昼間も眠い・・というタイプがまれにありますが、「特発性過眠症」という病気があります。この原因と治療法はまだ解明されていません。

睡眠時無呼吸症候群との違いは、居眠りの時間が1時間以上にもわたるということが特徴です。他には、笑ったり怒ったりした時にもフッと力が抜ける脱力症も見られます。

【その他の病気が原因のタイプ】

例えば、アトピー性皮膚炎で、かゆみが止まらない場合は睡眠がジャマされてしまいます。他には、お酒を飲んだわけでもないのにやたらとオシッコで目が覚める・・という場合は、前立腺や膀胱・腎臓に病気がある場合があります。

これらも、睡眠の質が落ち、朝起きれない原因になります。

参考になるサイト:生きる目的バイブル




 

朝起きれない原因」の解説ページです。