汗が多すぎる原因は、自律神経失調症の中の一つですので自分で改善することだってできます。
自律神経の役目は山ほどあって、あなたが意識しなくても寝ていても、勝手に呼吸したり心臓を動かしたり消化したり免疫を作ったりしています。
その中の一つに「汗をかく」という仕事があります。
人間は体温を一定に保たないと死んでしまう恒温動物です。体温が33度を下回ると、意識を失い更に28度に下がると臓器が停止して死にます。
42度以上になっても意識を失い、45度近くにもなると熱中症で死んでしまいます。
人間は脳の発達によって現在の文明生活を送れていますが、その脳を働かせているのが酵素です。この酵素は体温が37度くらいで正常に機能するので、汗をかいたりして37度に保たないといけないのです。
その「自動的に汗をかく」という仕事を行っているのが、自律神経なわけですが、このバランスが悪いと汗が多すぎる原因になってしまうのです。
例えば、一番分かりやすい例が手の平や足の裏の多汗症です。
体の汗はほとんど出ないのに、手の平だけ汗が出る人がいますが、これは交感神経が刺激された緊張・ストレス状態での汗の出方になります。
【汗が多すぎる原因は野生時代がヒント】
かつて人間の野生時代は、天敵の大型肉食動物が現れたら、戦うか逃げるかしないといけないわけでしたが、戦うならヤリ・弓矢・タテなどの道具をしっかり持てないといけません。カサカサしてたら滑って握れないのです。
また、木に登って逃げたり、乾燥した岩場や地面を走って逃げるには、手の平や足の裏が湿っていないとカサカサで滑ってしまうのです。
そういう理由で、緊張したら「手の平や足の裏に汗が出る」「アドレナリンが出て血糖値が上がり筋肉がパワーアップする」という仕組みがあって、現代人の身体にもその機能が残っているわけです。
だから、多汗症ではない人も緊張すると「手に汗握る」という状態になりますよね。
多汗症の人は、自律神経のバランスが悪くてその機能が強い方なのです。もしくは緊張状態を常に抱えている方なのです。
そして全身性の多汗症の方も、やはり緊張で汗の量が増えます。手の平はもちろん額や背中など全身に汗をかくわけですが、これも自律神経が乱れ、ホルモンバランス・代謝機能が崩れて発汗システムが暴走した結果が原因なのです。
汗が多すぎる原因は、精神性型(ストレス型)・自律神経失調症型に分けられますが、結局は相互に作用してしまいます。
少し多めの汗を気にし過ぎて精神性型になってしまう原因もあれば、日頃のストレスや寝不足・運動不足・栄養バランスの不良が原因で自律神経のバランスが崩れてしまう・・という原因もあるわけです。