以前に「元禄時代の日本食が一番の長寿食」と結論づけたアメリカの報告書がありましたが、今の日本人の食生活は元禄時代とは離れていくばかりです。

日本は平均寿命が世界1位、2位の長寿国ですが、寝たきりの高齢者も多く、健康寿命は長くありません。

世界中の健康長寿が多い国・地域では、どんな食生活をしているのか、あれこれ本を読みあさってみると面白いです。その結果、ある法則や共通点が見えてくるんです。

世の中にはさまざまな健康法がありますが、実際に健康で長生きしている方が多い国・地域の共通項というのは、完全に本質なんじゃないかと思うんですよね。

たとえば、東北大学名誉教授の近藤正二先生が、1937~72年までの35年間に、自分の足で歩いて調べた『日本の長寿村・短命村』という本があります。古い本ですが、とても面白くて参考になりますよ。

この本にある、長寿村と短命村の特徴をまとめるとこんな感じです。

【長寿村の食生活】

◆野菜を自分の畑で作っていて、たくさん食べている。または山菜が豊富。
◆魚介類が豊富にある。とくに小魚を食べている。
◆大豆を作っていて、大豆料理の豊かな文化がある。
◆海藻やゴマを食べている。
◆白米を大量に食べない(米が少ないため、米3に対し麦7の雑穀かイモ類で代替している)
◆野菜の中でも、にんじん、かぼちゃ、山いも、さつまいもをよく食べる。
◆肉は少量。しかもゆでこぼして、脂肪を減らして食べる。
◆年を取ってもよく働く。

【逆に寿村が短い地域の食生活】

◆白米を大量に食べている。
◆野菜畑を持っていないので、野菜が少ない。だからあまり野菜を食べない。
◆果物の産地で果物を食べるから、野菜はほとんど食べない。
◆魚ばかりをたくさん食べる。大型魚の切り身とご飯ばかりを食べる。
◆塩漬けのものとご飯ばかりを食べる。
◆年を取ると、あまり働かない(具合が悪くて働けない)

この時代の短命地域は、野菜不足で、白いご飯と魚ばかり食べたり、白いご飯と塩辛い漬物や干物ばかりとって、だいたい40歳くらいになると脳卒中で倒れてしまうパターンが多かったようです。時代が時代なので、肉や加工品はあまり食べていないのですが、それでも野菜や動物性たんぱく質のとり方のバランスで、こんなにも差が出るのが分かりやすいですよね。

さて、女性の長寿世界第1位の沖縄では、お年寄りは野菜と穀物を中心に食べ、あとは大豆と魚と少しの果物、肉や乳製品はほんの少しという食生活です。しかし最近は、このバランスが若い人を中心に少しずつ崩れて、肥満の人が増えてきているそうです。

日本以外では、アブハズ(ロシア)、ヴィルカバンバ(エクアドル)、フンザ(パキスタン)という場所が長寿地域として注目です。元気に働いている100歳以上の超長寿者が多い地域なのですが、場所が離れているにもかかわらず、驚くほどの共通点があるんです。

それをごく簡単にまとめると・・・

【世界の超長寿地域の食生活の共通点】

◆野菜や果物をたくさん食べる。
◆野菜や果物は、採れたての新鮮なものを主に生で食べる。調理するときは少量のお湯でゆでるか蒸す。
◆肉は特別な日以外は、ほとんど食べない。
◆ヤギ、牛、羊などの乳を発酵させたミルクを適量飲む。
◆炭水化物は、とうもろこし、精製されていない大麦や小麦などでとる。
◆豆やナッツを食べる(1日以上水につけたあと調理)
◆砂糖はとらない

あなたの普段の食生活と比べてどうですか? 日本の長寿地域の食生活と合わせてみると、共通点が多く、理想の食生活が見えてきますよね。

長寿地域の食事を見習って、「元気で仕事もバリバリこなすスーパー長寿、しかも女性なら美しく・・」というのが、あなたの目指すべきところです。

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世界の長寿国・長寿地域の食事を見習おう」の解説ページです。