肩こり首痛にならない体作りには、食べものの選びかたも大切なポイントです。

最近はいろいろな栄養素が錠剤の形で売られていますが、やはり栄養バランスを考えておいしく食事をとることが健康の基本です。首・肩の健康を保つ食べものをご紹介しましょう。

■コラーゲンが肩こり首痛に効く

細胞同士をガッチリ結びつける働きがあり、首の骨と骨の間にある椎間板を強くします

椎間板は、重みを吸収するクッションの役目をしており、また、椎間板に弾力があるおかげで首を多方向に曲げることができます。椎間板が弱くなってつぶれるとヘルニアなどのつらい痛みを伴う病気になってしまいます。そして首の骨や椎間板が弱くなると、頭の重みを支える筋肉により負担がかかります。それで首こり肩こりが起こるのです。

椎間板はコラーゲン繊維でできた軟骨です。もともとコラーゲンは体内で合成されるものですが、30~40代頃から合成能力がダウンしてしまうので、意識的に食べものからコラーゲンをとるよう心がけると良いです。

≪コラーゲンの多い食べもの≫

鶏の手羽肉、鶏ガラ、スペアリブ、牛すじ、ウナギ、魚の眼の近辺にあるゼラチン質、フカヒレ、ドジョウ、豚足、豚耳などがあります。

鶏ガラスープは、家で煮出してつくったものを週に一度は飲むことが理想的ですが、手軽にとるには市販の鶏ガラスープの素を使うのもいいでしょう。ただし少々塩分が多いので気をつけてください。歯が丈夫なら、焼き鳥屋さんでナンコツを注文するのも手です。

また、コラーゲンの合成を助ける酵素を有効に働かせるためには、ビタミンCと鉄が必要なので、果物、野菜(ジャガイモ、ホウレンソウ他)、干しブドウなども効果的です。

■ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸)が肩こり首痛に効く

ムコ多糖類は軟骨の成分で、そのムコ多糖類の一種にコンドロイチン硫酸があります。

昔からネバネバ、ヌルヌルした食べものは健康食として珍重されてきましたが、このネバネバ、ヌルヌルの正体がムコ多糖類です。体のあらゆる組織の動きを円滑にする働きがあります。たとえば首や膝などの関節の動きを滑らかにしたり、骨を強くしたり、肌をみずみずしく保ったりと、役割は多彩です。

≪ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸)の多い食べもの≫

納豆、ウナギ、ヤマイモ、オクラ、ナメコ、海藻、フカヒレ、ツバメの巣などがあります。最近、コンドロイチン硫酸を含む健康食品が出回っていますが、概ねとても高価です。

それよりも毎日納豆を食べるなどしたほうがいいと思います。懐も痛みませんし、食品から有効成分をとったほうが健康のためにもいいでしょう。

■カルシウムが肩こり首痛に効く

いわずと知れた、骨をつくる成分です。カルシウム不足や加齢で骨に空洞が入ってもろくなる骨粗しょう症になると首の病気にもなりやすくなってしまいますし、骨折しやすくなったりと、体のいろいろな部分に悪影響が出ます。

特に女性は、ホルモンの影響で更年期になると体がカルシウムを有効利用しにくくなるので、30代まではとくに意識的にとり、骨量を増やすようにしましょう。もちろんそれ以降もカルシウム摂取の必要はあります。材料がなければますます骨が産生されにくくなるからです。

≪カルシウムの多い食べもの≫

牛乳、木綿豆腐、ヨーグルト、プロセスチーズ、納豆、ひじき、しらす干し、小松菜などがあります。中でも牛乳は、カルシウム量、消化、吸収のすべての面において効果的な食品ですから、毎日飲む習慣をつけるといいでしょう。

カルシウムは食べものからとることが大切です。錠剤は量を過ごしやすく、血液中のカルシウム濃度が急激に高まると、尿路結石や腎機能障害の原因になる恐れがあります。

■ビタミンDが肩こり首痛に効く

骨の成分、カルシウムは食べものでとった場合、胃で消化され小腸で吸収されますが、このときにビタミンDがないと吸収がうまくいきません。ビタミンDは単独での体への作用はありませんが、カルシウムの血液中での移動をサポートし、体への吸収率を高くする働きがあるのです。

不足すると、カルシウムと同様、骨粗しょう症になったり、虫歯になりやすくなることがあります。脂溶性で熱に強いので、摂取しやすいビタミンでもあります。

≪ビタミンDの多い食べもの≫

サケ、カレイ、カツオ、サンマなどの魚類、干し椎茸、シメジ、キクラゲなどのキノコ類があります。

魚に多く含まれるので、魚料理を週に2、3回食べている人なら不足する心配はないでしょう。また、干し椎茸は料理に使う前に天日干しをするとビタミンD量が増えます。キクラゲやほかのキノコ類は油を使って料理すると体への吸収率が上がります。ただし、油の使い過ぎには注意が必要です。

■たんぱく質が肩こり首痛に効く

骨をつくるカルシウムと、その吸収をよくするビタミンDをご紹介しましたが、じつはこの2つだけでは骨はつくれません。組織の結びつきを維持するたんぱく質が必要です。

人間の体は水分を除くとほぼ半分がたんぱく質からできています。筋肉、骨、臓器や皮膚、髪、爪などさまざまな組織がたんぱく質によって構成されているのです。

かといって、やみくもにたんぱく質を多くとればいいというものではありません。高たんぱく食品の肉や魚には同時に脂肪も多く含まれているからです。肉は赤身にして、植物性たんぱく質を多めにとるなど工夫しましょう。

≪動物性たんぱく質が多く、低脂肪の食べもの≫

牛肉や豚肉の赤身、鶏のささみや胸肉、白身の魚、カッテージチーズなどがあります。

年齢を重ねても脂身たっぶりのステーキが大好きな方もいますが、さっぱりした食べものを好むようになると、肉そのものを敬遠しがちです。しかし、たんぱく質は動物性と植物性をバランスよく食べたほうが効果的なので、ここに挙げたような、脂肪分の少ない肉類を上手に献立にとり入れてみてください。

≪植物性たんぱく質の多い食べもの≫

納豆、豆腐、味噌、厚揚げ、枝豆、そら豆、アズキなどがあります。

大豆には100gあたり16gのたんぱく質が含まれています。大豆が原料の豆腐や納豆なども高たんぱくで、しかも低カロリーなので、毎食、何かしらメニューに加えるといいでしょう。枝豆などの豆類も同様に高たんぱく低カロリー食品です。

その他、血行を良くするために、ショウガ・ニンニク、ネギ・大根などの根菜類もおすすめです。

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