近頃では、「メタボリックシンドローム」という言葉を見聞きする機会がずいぶん増えましたが、実際に何らかの改善や予防に取り組んでいる方はどれくらいいるでしょうか。意外と少ないのではないでしょうか。

健康診断などで、高血圧や糖尿病の明らかな病状を指摘されると、さすがに真剣に改善に取り組もうとするでしょう。

しかし、これらの病気になってしまった時点では、すでに血管の動脈硬化が進行している場合が少なくありません。脳の中の細い血管が数多くふさがってしまっていて、すでにラクナ梗塞という病気を引き起こしている人が多いのです。

コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)による検査をしてみると、多くの何も自覚症状がない人に、そのような像(ラクナ梗塞)が発見できます。そして、そのラクナ梗塞のある血管が血液を供給していた領域の脳神経細胞は、血液が供給されないので死滅し、脳の機能が損なわれています

また、このことは、脳血管性認知症の始まりを意味しています。つまり、意志が薄弱になってしまい、食事療法や運動療法が長続きしなくなる可能性があります。

ついつい「まあいいか」となってしまい、安易な生活に甘んじて、さらに病気(生活習慣病)も進行してしまうでしょう。そうなると、よりいっそう意志が薄弱になって生活習慣が乱れる・・・という悪循環を形成して「死」へと行き急ぐ結果となります。

もちろん現代の医学は、このような事態を放置せず、さまざまな薬を考案して治療を試みています。そしてまた、現代の医療は「事実に基づいた医療」を実践しようとしています。

「事実に基づいた医療」というのは、たとえば、2年、5年、10年のような長期間にわたって、数千人から数万人にのぼる多数の高血圧、糖尿病、高脂血症などの患者の約半数にAという薬を、残りの半数の人にはBという薬を、あるいは見た目や臭いなどが本物と区別つかない偽薬を投与します。その際、主治医でさえも、どちらの薬が目の前の患者に渡っているかわからない状況で投与します。

参考:境界線型糖尿病の治し方 – デスクワーカー専用ダイエット

数年後、誰がどの薬、または偽薬を服用していたかの謎解きをします。そして、その数年間に起きた事象を詳細に分析します。血圧、血糖、コレステロールや中性脂肪などの数値の下がり具合と脳卒中、心筋梗塞、腎機能障害などの合併症との関係、あるいは副作用との関係を調査分析するのです。その結果、「Aという薬のほうが合併症を引き起こす頻度が少ないので優れている」などと評価するのです。

こうした「事実に基づいた医療」を実現するために、このような研究が欧米を中心に数多く、患者の同意を得てなされてきました。もちろん、ボランティア精神がないとできません。

生活習慣病に使用している現代の薬も、このような研究の表付けがあり、単なる治療のみを目的にした降圧薬、抗糖尿病薬、抗高脂血症薬であるだけでなく、すべては健康に長寿を全うすることを目的に設計された「長寿薬」です。

できれば、誰もが薬に頼る生活はしたくないでしょう。しかし、薬の有用性を理解して利用することは治療に有効です。

 

参考サイト→ デスクワーカー専用ダイエット

 




 

肥満から生活習慣病になってしまってからでは遅い!」の解説ページです。